上山アートプロジェクト 里を読む2日間
上山アートキャンプ2013 9/15-16


REBIRTH PROJECTは岡山県美作市上山集楽と共に、土地に住む人間の営みの原点を探り、あるものを活かし、ないものを探るための上山アートプロジェクトを立ち上げ「里を読む」2日間のアートキャンプを実施します。アートキャンプを通して、棚田の再生とともに、人々の記憶の再生をテーマとした「上山写真展—記憶の再生」と題するワークショップを行いその結果をまとめ、2013年10月5日から11月4日までの期間、特別展覧会を行います。

上山写真展2013「記憶の再生」




【上山写真展「記憶の再生」ワークショップ】 について

岡山県美作市上山地区は8300枚もの棚田に囲まれた緑豊かな田園の広がる山間部に位置します。しかし戦後の高度経済成長期以降、豊かな棚田は急速に失われつつありました。この地域で失われたのは、棚田などの目に見える風景だけではなく、暮しに寄り添い育まれていた農村歌舞伎やお祭りなどのさまざまな風習、土地の記憶そのものでもあります。上山は現在棚田を再生させたいという志をもつ若手来訪者と、古くから土地に寄り添い生きてきた高齢者とが共存する集落です。

そのコミュニティを考えた時、わたしたちは棚田の再生とともに、記憶を再生させ受け継ぐことの大切さを思いました。そしてそれは家族のアルバムの中に記録された日常の生活の一端にこそ残されているのではと。それらの私的な写真は一般的には表出しない個人の記憶の断片かもしれません。しかし集落全体の一枚一枚の写真が集合することにより、その写真の数々が我々に物語る一途のメッセージが見えるのではないでしょうか。

展覧会のプロセスにおいて、ワークショップ形式で、集落に残された家族の写真、風景写真など、古いアルバムを紐解き日常の暮しに寄り添う写真を集めます。風景と記憶の再生、そこから呼び起こされるもの、生まれてくるものはなんなのでしょうか。わたしたちは集落に残された写真の記録を「上山写真展2013—記憶の再生」という展覧会として順次まとめていきます。


上山写真展2013「記憶の再生」




ワークショップにご参加の場合こちらのキャンプへの参加となります。

【里を読む2日間:上山アートキャンプ2013】


上山集楽の里山の維持に最も大切な棚田での収穫を体験し、里山を維持することで培われてきた自然と生き物が共生する暮しを探ります。また、その地で狩猟や林業、農業などをして生活をしている人々にお話を伺うことで、より豊かに美しく生きるための知恵を体現します。2日目には、写真家 石川直樹氏を特別講師に迎え、「記憶の再生」をテーマとした写真展のワークショップ、トークセッションを行いました。

-里を読む2日間:上山アートキャンプ2013
■主催、実施場所:岡山県美作市上山集楽

■日程  2013年9月15日(日)〜16日(月)の一泊二日
*尚、9月16日のワークショップに先立ち、9月14日に上山集楽関係者限定の寄り合い(ワークショップ)を行います。

■定員  30名(定員に達した時点で締め切ります)
■参加費 15000円1泊2日ワークショップ参加費/食事代込み(2日目の朝食以外)
*別途宿泊費(朝食、温泉付き)は宿泊先の雲海で直接お支払い頂きます。(税込み5000円)参加者はみなさまこちらにご宿泊頂きます。(ご予約の必要はございません)
*ツアー内容詳細/規約は(こちら) 必ずご覧ください。

お問い合わせ、お申し込み: menpei (井筒木綿子、耕平)
menpei01@gmail.com

上記募集は終了いたしました。


共催:REBIRTH PROJECT , Mother Art Festival
プロデュース:井筒木綿子、耕平(menpei)
アドバイザー:伊勢谷友介(REBIRTH PROJECT)
プロジェクト・キュレーション:有馬恵子(REBIRTH PROJECT)
展覧会&ワークショップ・ファシリテーター:会田大也(9月14日)/石川直樹(9月16日)
協力:高田昭雄(アマチュアカメラマン)、小林幸江、丸山幸子、右手信幸、高橋善一、岡佳範、一般社団法人 上山集楽、NPO法人英田上山棚田団



【関係者のご紹介】

menpei (井筒木綿子、耕平)
井筒耕平、もめの夫婦ユニット。
異なるそれぞれの興味を掛け合わせて場づくりを行うことを得意とする。
耕平は、バイオマスを中心とした自然エネルギー(環境学博士)、林業、狩猟、棚田再生など。
もめは、デザイン、ドキュメンタリー映像、アート、子育てなど。荒廃した8300枚の棚田再生を目指す岡山県美作(みまさか)市上山(うえやま)で、ヨソモノながらも地域の人間として楽しく暮らす。

石川直樹
1977年東京生まれ。写真家。
2000年、Pole to Poleプロジェクトに参加して北極から南極を人力踏破。
2001年、七大陸最高峰登頂を達成。人類学・民俗学などの領域に関心をもち、行為の経験としての移動・旅などをテーマに作品を発表し続けている。
土門拳賞受賞の写真集『CORONA』(青土社)、開高健ノンフィクション賞受賞の『最後の冒険家』(集英社)など、著作・写真集多数。

会田大也
1976年生まれ。ミュージアムエデュケーター。東京造形大学、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)卒業。2003年より、山口情報芸術センター[YCAM]勤務。2009年よりMaemachi Art Center(MAC)に入居&運営。おもな企画として、藤井光「meet the artist 2010 自分のメディアを創る」プロジェクト(YCAM)、オリジナルワークショップ「walking around surround」(YCAM)など。

高田昭雄
岡山県在住。1970年代の上山の棚田の最盛期だった頃から、荒廃していく姿、そして現在の再生に向かう動きまでを定点的に撮り続けている。

有馬恵子
1976年生まれ。REBIRTH PROJECTディレクター。2011年Art Fair Tokyo等主にアートプロジェクトを担当。REBIRTH PROJECT以外の活動として、Naoshima – Art and Architecture in Seto Inland Sea (Venezia Biennale/ Palais du Tokyo, Paris 2009年)、LUCERN FESTIVAL ARKNOVA (http://arknova.ch/matsushima )プログラム・キュレーションなど。共著「Architecture and the Test of Time」(ドイツEdition DETAL社)他。



【関連リンク】

美作国建国1300年  www.mimasaka1300.org/
Mother Art Festival  https://www.facebook.com/MotherArtFestival‎
上山集楽  http://ueyama.shu-raku.jp/
NPO法人英田上山棚田団  https://www.facebook.com/tanadadan
オーベルジュKIRA KARACHO  雲海 http://www.unkai-onsen.jp/

上山写真展2013「記憶の再生」




【企画主旨】

「すべての人間が芸術家であるということは、すべての人間に本当の能力があるということです。昔は芸術という言葉はもっと技術とかの概念に近いもので、日常的に使えるということを本能的に予感できる言葉でした。その意味で 芸術大学とか、あるいは画廊とかいうろくでもない、ケツの穴みたなところで営まれているものだけが芸術だと思ってはならないわけです。(ヨーゼフ・ボイス)」

「芸術」という言葉は、art (アート)の訳語として明治時代に生まれましたが、語源となったラテン語の ars(アルス) はギリシア語のテクネー に相当し、本来は「芸術」というより、自然に対置される人間の「技」や「技術」を意味する言葉でした。

REBIRTH PROJECTは上山アートプロジェクトを通して、芸術表現としてのアートではなく、自然と共生して人間が生きるための土地固有の「アルス」に着目し、掘り起こします。現代社会の中で生きつつも、近代化以前の暮らし、知恵を体現し、より豊かに美しく生きるための「アルス」を探り、体現するプロジェクトを目指しています。